「患者さん」じゃなくなるって本当?
病棟は、治療しないと命に係わる「患者さん」が対象となります。一方で、美容系クリニックでは、治療しなくても命に係わることはありませんが、治療することで生活の質を向上させたい「患者様/お客様」が対象となります。つまり、接客業になるのです。
おむつ交換やトイレ介助はしなくてよくなりますが、治療効果と安全性に加え、患者様/お客様の満足度を高い優先度で考えた行動をしなくてはなりません。言葉遣いを始めとして患者様/お客様への触れ方など、私たちの行動一つ一つが患者様/お客様の満足感につながります。
心からのおもてなしをすることで患者様/お客様の喜びに繋がり、その思いが私たち看護師にも伝わってくるような関わりは「ホスピタリティ」という言葉で表されます。
患者様/お客様に不快感を与えないことは最低限求められることですが、プラスアルファで満足感を感じてもらえるようになればとてもやりがいを感じられるでしょう。
かといって、本質は看護です。共感や傾聴、生活習慣の指導など、看護師として培ってきた能力も大切です。
患者様/お客様に満足感を感じてもらいつつ、的確に治療のサポートを行っていく必要があります。
お給料が高くなるって本当?
家賃補助、年間40日以上の有給休暇(全部消化できるとは限りませんが💦)、退職金、などなど、、、。病棟では様々な福利厚生を受けているかと思います。
いくつかの美容クリニックに携わり、多くの美容系求人情報を眺めた結果、病棟時代に当然のようにもらっていた福利厚生は、美容系クリニックでは当たり前ではないことに気が付きました。
そこで、これから転職を考えているあなたのために、代表的なものをまとめてみました!
- 退職金が出ない
- 家賃補助がない
- 有給休暇は法定通りの支給=初年度は半年後に10日のみ支給される
(半年以内に休暇を取ると、お給料が日割り計算になります) - ボーナスは雀の涙
上記はすべて、基本的にないと思ってよいでしょう。(一部の大手クリニックや、保険診療も行っているクリニックでは福利厚生に含まれていることもあります。)
美容系クリニックのお給料は、一見高そうに見えますがそんなことはありません。むしろ、転職一年目は年収が下がります。すでにご存じの方も多いとは思いますが、「年収が下がる」と言われただけではいまいちぴんと来ないと思うので、内訳をお伝えします。
- 家賃を全額負担することで、お給料の1/3程度は消えます。
- 入職後半年以内に休暇を取った場合は、1日当たり2万円弱もの大金がお給料から引かれます。
- 期待しているボーナスは雀の涙。病棟では○ヶ月分というところが多いかと思いますが、美容系クリニックでは〇万円と固定されているところも多いです。
- 税金が引かれます。病棟で常勤として勤務していると、年収500万円は稼いでいる看護師さんが多いのではないでしょうか。税金は前年度分がお給料から天引きされるため、年収500万程度稼いだ翌年は毎月8万円程度、国に納める必要があります。
そうすると手元に残るのはいくら、、、?計算してみてください。これが現実でした。
生きていくことはできても、病棟時代のように貯金はできなかったです。
美容系クリニックは患者様/お客様の美のお手伝いをする場所。
患者さんが元気になっていく過程を看るように、患者様/お客様がきれいになっていく過程をお手伝いできることはとてもやりがいのあるお仕事でした。
しかし、プライベート面では金銭的な負担が増え、特に転職一年目は大変な思いをして過ごした美容ナースさんたちがほとんどだと思います。(もちろん、経験を積むにしたがって基本給が上がることや、インセンティブ制度を活用することで収入を増やすことはできますが、時間がかかるし、微々たるものの場合もあります。)
美容看護師はキラキラしている!高給取り!
そんなイメージだけで転職する方は少数派でしょうが、現実を知っておくとことで、つらい時期も乗り越えやすいかと思います!
今回は、私が「病棟看護師から美容看護師になって実際に感じたリアル」をまとめてみました!これから美容看護師を目指す看護師さんの参考になれば嬉しいです!